いつも弊社製品をご愛用賜りまして誠にありがたく厚く御礼申し上げます。
さて、こて先温度計「MS−804」と他社こて先温度計と比較して同じ”半田こて”のこて先温度を測定すると、20℃も温度差(MS−804の方が高い)あるとのご指摘につきまして下記のようにご回答申し上げます。
温度測定差の起きる原因
@センサー酸化している時
こて先温度計に主に使用されている熱電対 タイプK(CA)は通常、空気中でも酸化します。Aセンサーの熱容量が大きい時
まして、糸半田には活性化を促すフラックスが封入されており、これが熱電対の酸化をさらに促進します。
センサーの酸化・汚れにより熱電対が劣化し、起電力が低下して測定温度が低くなります。
測温接点の熱容量が大きい時や測温接点に接して熱を引っ張る要素がある時は、センサー全体の温度が飽和するまで長時間かけないと測定温度が低くなります。B測温接点(ホットジャンクション)と基準接点(コールドジャンクション)に異種金属が使用されている時
熱電対 タイプK(CA)を用いて正確な温度を測定するには、測温接点から基準接点に至る延長線に専用の補償導線を使用するのはもちろんのこと、その接続には異種の金属を避けねばなりません。
異種金属を用いると環境温度(室温等)による温度測定誤差が発生します。
結 論
上記の3要素から20℃の温度測定差の原因は上記項目B測温接点の問題だと考えられます。
熱電対の起電力は測温接点と基準接点の温度差で決まります。基準接点とは異種金属と熱電対(CA)が接している所です。一般的に電気回路が銅(Cu)であるために、プリント基板との接触部分が基準接点になります。基準接点と室温の差を修正しているのが冷接点補償器(通常0℃)です。基準接点と冷接点補償器が直近している時は何らの問題がありませんが、離れている時は環境(室温)による温度測定誤差が発生します。
他社製品は測温接点に熱電対(CA)が使用されています。測温接点から基準接点に至る延長線に、補償導線が使用されていますが、その接続に異種金属の銅が使われ、また、センサーの受け軸に真鍮が用いられています。
その結果、真鍮を使われている箇所が基準接点になり、冷接点補償器の間にはかなりの距離が発生しています。
従って、環境による温度測定差が出るのは当然の結果です。
20℃の違いは室温の差が出ているものと考えられます。
また、当製品には上記の項目Aに当てはまる、センサー部門に大きな熱容量を持たせる金属が使用されており、測定時間を相当長くしないと測定温度が低くなります。
熱電対回路の結線 エディスンインターナショナル株式会社 江藤 宏